開発事例

開発事例 The development achievements

基幹システムと物流システムのシームレスな連携を実現

■役割
  要件定義工程から設計、製造、テスト、納品までを一気通貫にて当社が担当しました。
  また、その後の保守対応も継続して担当させて頂いております。
■作業範囲
  親会社との入荷・生産・出荷データ授受などに関する仕様変更と顧客の倉庫管理システムに対する下記の要求ニーズとする。
  なお、各種製造メーカとの保守ならびに様々不具合対応は対象外とし、お客様にて実施していただくものとする。
■開発範囲としては下記の3項目にまとめられる
  1.インターフェースの変更
     基幹システムと物流システムのインターフェース方式の変更   ※DB連携からファイル連携へと変更
        〇変更前(現行):親会社(基幹システム) ⇔ 中間サーバー ⇔ 子会社(物流システム)
                                        ※中間サーバーを経由してデータ連携を実施
        〇変 更 後 :親会社(基幹システム) ⇔ 子会社(物流システム) ※直接ファイル連携に変更
  2.マイグレーション対応
     老朽化した言語とDBのバージョンアップを実施
        VB.NET2005 から VB.NET2019へマイグレーション
        SQLServerを2005 から SQLServer2019へマイグレーション
  3.機能追加・改善の実施
     ①現状分析 ・・・ 業務要件、システム要件変更、業務フロー(As-Is、To-Be)など
     ②ドキュメント整備 ・・・ 現行業務システムに関連する資料一式の改善
     ③要望ヒアリング ・・・・ 現状分析結果を基に意見交換や検討した結果内容により追加機能や機能改修など
                    を実施する。
                    親会社のシステム刷新時に実装する機能による情報の連携に基づいて、
                    機能追加や改善を実施する。
■作業手順
 当社QMS手順に則って、システム開発の王道に沿って進めました。
 特に、今回のお客様には考慮すべきことがいろいろありましたので、もちろんその課題も考慮した上で対応しました。
 また、プロジェクトスタートまでにお客様とプロジェクト方針や目的、結果を前提とした想定を計画書を入念に作りこみました。
 また、課題一覧表には様々な課題や要望を記載していますが、まず最初に取り掛かったのが「リスク」の洗出しと解決の方向性を
 探る動きを綿密に実施する機会を計画および実施することで、想定したリスクの最小限化に寄与できたと考えております。
  また、当社の特徴としてレビューの徹底を基本としています。この徹底があるからこそ、内容の妥当性や進捗の見える化、
 リスクへの取組みによるお客様との代替案の創出などが実現でき、お客様からの信頼と実績を積み上げてきました。

基幹システムと物流システムのシームレスな連携を実現

背景・課題

■背景
お客様(当社の顧客)の親会社様にて、「基幹システムの老朽化」や「現行業務拡大」、また「将来的に大きな経済的損失への対策」などを目指し、当時スクラッチ開発で構築された「レガシーシステム化の排除」に向けて、システムの全面刷新するプロジェクトを立ち上げられました。
その結果、親会社の基幹システム全面刷新に追従する形で、当社のお客様のシステムも適宜対応する必要にせまられました。
お客様は親会社様の商品を扱う流通事業の物流部門として親会社様から独立した会社で、複数の倉庫でさまざまな商品を管理されています。
日々親会社様から入荷・生産・出荷情報といった作業指示データを受信し、その受信したデータに従って作業を実施することから、複数の倉庫にある商品をリアルタイムで管理する必要がありました。
また、親会社様のシステムの全面刷新に伴い、親会社様からのデータ連携内容が大幅に変更する必要が生じること、さらに現行の倉庫管理システムは構築してから10年以上経過しており、セキュリティ面やスペック面などにさまざまなリスクがありました。
これを機にアーキテクチャのマイグレーションを実施することで、最新に近い環境に改善でき、合わせてお客様現場から各多様な要望が出ている機能の追加、改善や業務フローの見直しを行い業務効率化を図ることになりました。その後、当社にお声が掛かり、親会社様と共にお客様の改善したいことや運用改善のための要望などに対して一緒にプロジェクトを進める運びとなりました。

一方課題としては、
1.親会社様の業種の特性を鑑み、繁忙期を避けた6月~7月の2ヵ月間の内にリリースするという年1回のタイミングのみ。
2.親会社様の基幹システムの刷新スケジュールに合わせて、子会社(以下、お客様)の物流システムも同時並行で再構築を進める必要
がある。
3.お客様の物流システムは24時間365日常時稼働しており、万が一でも障害発生が許されないシステムですので、
より慎重な作業の進め方はもちろんのこと、親会社の製品に関する入出庫作業に及ぼす甚大な影響をきたさないフェールソフトを
意識する。
今回のプロジェクトは品質担保、納期遵守を徹底し、次期プロジェクトでは、トラブル時やシステムダウン時の対応を想定した対応
方針を明確に謳われておられます。

得られた成果

◆お客様との厚い信頼関係の構築
今回の案件は、背景・課題の所で記載しましたように、当社お客様の親会社様のシステム全面刷新によるグループ1会社の対応案件
でした。
しかも、厳しい条件や課題の中、お客様と一緒に今回の案件に取り組めたことが大きな自信につながりました。
その結果、お客様のニーズ、お困りごと、要望なども含めてなんとか納期に間に合わせ、サービスインが実現できました。
ひとえにお客様のご協力のもと、当社の優秀なスタッフともに真摯に対応できたことだと思われます。
お客様のご検収後、継続して保守契約も締結させて頂き、次期案件にもつなげることができ、お客様に評価をいただいたと自負して
おります。
今後も厚い信頼関係を保ちながら、お客様の課題に様々なご支援をご提供できることを願っております。

◆お客様の作業負荷の省力化、属人化の解消
お客様の親会社様からの作業指示となるデータを受信し、そのデータに基づいてお客様の倉庫管理システムに対する機能改善には
苦労しました。
特に、24時間365日常時稼働するシステムですので、リリース時期やテスト環境構築の運用など、障害発生を想定したフェール
ソフトを意識した取組みなど、サービスダウンが許されないシステム改修を実施し、運用も含めた様々な観点で作り上げた仕組みが
間違いなく稼働するかどうかの検証に力を入れました。
その結果、現行システムで抱えている業務の属人化や非効率な業務運用を改善し、スムースな業務フローの改善にも取り組みました。

◆当社のプロジェクトメンバーのシステム開発への意識改革
今までのシステム開発とは違った、条件や課題も厳しい中でやり遂げたことにより、単なる倉庫業務の知識の向上だけでなく、
他システムとのデータ連携時の慎重さや常時稼働のテスト計画などいろいろな経験の積み上げができたと考えられます。
このリスクと機会に対する考え方を真面目に真摯に取り組んめたことは中々経験できないものであったと思います。
親会社様との単なるデータ連携ではなく、お客様への作業指示であり、その結果も親会社様に連携し、うまく情報が流れ、
親会社様を含めた運用が実現に関われたことは大きな成果であったと考えられます。
次のプロジェクトにもお声が掛かっており、その実施が楽しみな今日この頃です。

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